mesetaのブログ

ウォーキングとフラメンコ
Walking,Flamenco&Guitar
Caminante,Flamenco y Guitarra

東京大学劇団駒場第18回公演 朝日生命ホール

東京大学劇団駒場第18回公演
血の婚礼  G.ロルカ 作
1965年(昭和40年)6月10日(木)11日(金)

朝日生命ホール


この公演は見に行ったのではありません。出演したのです。
そのいきさつについては後述するとして、まずはパンフレットを見ていきます。


血の婚礼はスペインの詩人ガルシア・ロルカの作品です。

(Federico del Sagrado Corazón de Jesús García Lorca、1898年6月5日 - 1936年8月19日 38歳)は、スペイン・グラナダ県出身の詩人・劇作家。・・1936年、内乱の雰囲気が高まるなか、ロルカはマドリードから故郷グラナダへ戻る。数日後、モロッコでフランコが反乱軍を指揮し本土へ侵攻、スペイン内戦が勃発する。ロルカは友人のファランヘ党員の家へ逃げ込むが、8月16日、友人の留守中に逮捕、県庁舎に連行される。8月19日早朝、グラナダ近郊のビスナル(スペイン語版)からアルファカール(スペイン語版)への途上で三人のレジスタンスたちと共に銃殺された。38歳。


血の婚礼  ガルシア・ロルカ作(Bodas de sangre, 1932年  Federico García Lorca)
表紙



血の婚礼 - Wikipedia
スペインの劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる悲劇である。花嫁が花婿を捨てて昔の恋人と駆け落ちしたことから起こる悲劇を、土着的かつ象徴的なトーンで描きあげた作品である。1932年に書かれ、1933年3月にマドリードのベアトリス劇場で初演された・・・


ロルカとフラメンコについては次のような本も出版されています。
ロルカとフラメンコ: その魅力を語る | ロルカ生誕百周年記念実行委員会 |本 | 通販 | Amazon
世界的詩人ガルシア・ロルカ生誕百年を記念して、ロルカと深いかかわりのある日本の関係者によって編まれたロルカ読本。小島章司、小松原庸子、小海永二、逢坂剛、伊藤日出夫、濱田滋郎、堀越千秋、佐伯泰英、川成洋、小川英晴ほか。


STAFF・CASTのその後
中村克史
元NHK チーフ・プロデューサー
 「独眼竜政宗」が大河歴代最高視聴率をマークしたワケ   中村克史氏インタビュー
  中村 克史 - テレビドラマ人名録 - ◇ テレビドラマデータベース ◇
山田太一シリーズ 男たちの旅路  【演出】中村 克史  1976/02/28~1976/03/13 第14回ギャラクシー賞選奨受賞
山田太一シリーズ 男たちの旅路・第2部【演出】中村 克史  1977/02/05~1977/02/19
山田太一シリーズ 男たちの旅路・第3部【演出】中村 克史  1977/11/12~1977/12/03
鎌田敏夫シリーズ  十字路(1)  【演出】中村 克史  1978/04/15~1978/04/29
鎌田敏夫シリーズ  十字路(2)  【演出】中村 克史  1978/12/02 ~ 1978/12/16
サスペンスロマンシリーズ 死にたがる子 【演出】中村 克史   1979/02/17
山田太一シリーズ 男たちの旅路・第4部【演出】中村 克史  1979/11/10 ~ 1979/11/24
大河ドラマ 獅子の時代【 演出】中村 克史他  1980/01/06~1980/12/21       第13回テレビ大賞優秀番組賞受賞
ドラマスペシャル ポーツマスの旗 全四部【 演出】中村 克史  1981/12/05~1981/12/12
山田太一脚本 男たちの旅路スペシャル 【 演出】中村 克史  1982/02/13
                                                                                       第9回放送文化基金賞奨励賞受賞  芸術選奨文部大臣賞
土曜ドラマ 白き抗争 【演出】中村 克史   1983/02/26~1983/03/05
土曜ドラマ 欲望 【演出】中村 克史  1983/03/26~1983/04/09 
ドラマ・スペシャル 日本の面影【 演出】中村 克史  1984/03/03~1984/03/24
                                  第17回テレビ大賞優秀番組賞受賞  第21回ギャラクシー大賞受賞  第2回向田邦子賞受賞
連続テレビ小説  澪つくし【制作】中村 克史  1985/04/01~1985/10/05
ドラマスペシャル ふたりで旅を【演出】中村 克史  1986/01/04
大河ドラマ 独眼竜政宗【制作】中村 克史  1987/01/04~1987/12/13  
                                              年間平均視聴率39.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)は大河ドラマ史上最高
                                                     第5回ATP賞'88人気番組賞受賞  第5回ATP賞'88ザテレビジョン読者賞受賞


斎藤正彦(芥正彦)
  芥正彦 - Wikipedia
(あくた まさひこ、1946年1月7日 - )は、日本の俳優、劇作家、演出家。劇団ホモフィクタス主宰者。本名、斎藤正彦。東京都に生まれる。埼玉県立浦和高等学校卒業後、1年間の浪人生活を経て東京大学文科III類に入学。在学中に全学共闘会議(全共闘)のオーガナイザーとして活躍する傍ら、劇団駒場で夏際敏生と共にアングラ演劇運動を指導。また、寺山修司と『地下演劇』誌を発行。・・1969年5月13日、東京都目黒区駒場の東京大学教養学部900番教室にて催された三島由紀夫との公開討論会『討論 三島由紀夫vs.東大全共闘―美と共同体と東大闘争』に、木村修、小阪修平と共に、全共闘側の一人として参加。のち大学を除籍になる。
  芥正彦 - AKUTA MASAHIKO  映画『三島由紀夫 vs 東大全共闘 50年目の真実』芥正彦出演


会場の朝日生命ホールは2004年に閉館しています。
朝日生命ホールとは - コトバンク
東京都新宿区にあった多目的ホール。1963年開館。座席数は約650席。2004年閉館。


血の婚礼 は映画にもなっています。
映画 『血の婚礼』予告編 カルロス・サウラ - YouTube

Blood Wedding Trailer 1981
1981年製作/スペイン  
監督 カルロス・サウラ   原作 フェデリコ・ガルシア・ロルカ
         Carlos Saura                   Federico García Lorca
出演 アントニオ・ガデス    クリスティーナ・オイヨス   フアン・アントニオ・ヒメネス
         Antonio Gades             Cristina Hoyos                       Juan Antonio Jiménez


出演のいきさつ
東京大学生でもないのに、なぜ東京大学の劇団に出演したのでしょうか。それは全くの偶然です。早稲田大学の同級生にフラメンコギターを持っているのを話したことがありました。そしてその同級生が以前からこの劇団に出ていたのは知っていました。ある日「今度スペインのガルシア・ロルカという人が作った芝居で、音楽大生が自分で作曲した曲を劇中で歌うんだけど、ギターの伴奏をしてくれないか」というのです。芝居に興味があった訳でもないので躊躇したのですが、結局引き受けることにしました。
それからは毎日のように練習のため東京大学駒場キャンパスへ足を運びました。大道具を作る手伝いなんかもしています。今はもうなくなった学生食堂裏が作業場でした。
歌う曲の譜面はメロディだけの簡単なものでした。そこでフラメンコ風の前奏を入れてみました。すると女子音大生からOKが出たので、本番でもそれを演奏しました。
スタッフ・キャストで女性の東大生は一人だけで、歌った音大生の他にお茶の水女子大、日本女子大、青山学院大などがいました。


使用したフラメンコギター

橋本一男/Kazuo Hashimoto Framenco Guitar 1960


感想
まず、さすが東京大学だと感心したのは観客の数です。二日間の公演は立見席も出るほどの満席でした。新宿駅西口から5分もかからないという場所の利があるとしても、これだけの集客はなかなかできないのではないかと思いました。
コンサートでは終演後拍手や掛け声によるアンコールで、出演者が再度演奏してこれに応えます。また、演劇では幕が下りた後カーテンコールによって出演者が舞台上に出て観客に挨拶するのが普通です。ところがこの芝居では劇中曲が歌われたこともあり、カーテンコールではなく、アンコールが行われました。従って2日間で計4回歌伴奏をしました。
伴奏するだけなのですが、舞台ですので役柄であるきこりの衣装を着て、顔にはドーランを塗ります。楽屋でドーランを塗っていると少しずつ緊張してきます。それでも何とかうまくギターを弾くことができました。残念なのはその時の写真が一枚もないことです。カメラを持っている人が誰もいませんでした。
公演終了後、皆で新宿の街に繰り出しましたが、そこで驚きの光景を見ました。天下の東大生がジーパンをはき、サングラスをかけ、劇で使用する長髪のかつらをつけて歌舞伎町を闊歩していきます。ヤクザ顔負けのその勢いにおののいて、道行く人は後ずさりするように通りを開けます。そんな一行の後ろについていく我々はどんな風に見られていたのでしょうか。


以上です。