富士山に行ってきました その2.山頂(ご来光)~剣ヶ峰~お鉢巡り~下山道
その2.山頂(ご来光)~剣ヶ峰~お鉢巡り~下山道
「その1.五合目から八合五勺まで」の続きです。
前夜、消灯は9時ですが、もともと明かりがない屋根裏ですので、大して変化はありません。ただ、大きな声を出していた中国人と思われる団体の話し声がしなくなり、静かになりました。7時に寝床に入ってみたものの、なかなか寝付けません。一つの布団に入った右隣の外人さんも同じく眠れないようで、何度も寝返りをうっています。そのうち掛布団をもっていかれ、半分むき出しになってしまいました。3,450mとはいえ室内は暖かく汗をかくほど熱っぽかったです。それでもむきだしは風邪をひきそうなので、しばらく掛布団の争奪戦を繰りひろげました。
眼は閉じているのですが、眠っていないので、ギターの曲を思い浮かべて音のしないギターをずっと引き続けていました。いつも眠れないときはそうしています。
そのうち、七合目を越えたあたりまで抜きつ抜かれつした親子のことを思い出しました。小学校低学年の男の子と父親はこちらが休憩していると抜いていき、その先で立ち止まったところをこちらが抜いていくという状態でした。ところが標高3,000mを過ぎたあたりのジグザグ道で休んでいたところ、一向に来る気配がありません。下を見ると男の子が座り込んでいるのが見えます。しばらく様子を見ていたら、立ち上がって父親と何か話をしています。それから間もなく二人は反対方向に歩き始め、下っていきました。何があったのか分りませんが、高山病ににでもやられたのかも知れません。その後どうしたかな、無事だったかな、なんてことを思いつつも、まだ眠れない状態が続きます。
何度も目を開けて時計を見ましたが、時間は進みません。左隣のTさんも眠れないようで、同じように時計を見ています。12時を過ぎても相変わらず見えないギターを引き続け、ようやく起床時間の午前1時になりました。Tさんの腕時計にアラームをセットしていたのですが、鳴らす必要もなく二人同時に起き上がりました。右隣の外人さんはまだ眠っています。
真っ暗なためヘッドライトをつけ、ぶら下げた荷物を降ろして静かに玄関まで移動すると、もう数人がきていました。出発の準備をする前にまず外へ出て天気を確認したところ、雲もありますが星もでています。この分だとご来光を期待できそうです。しかし、山の天気は分りません。昨日も夕食後外へ出たら星と月がでていたのでTさんに告げたところ、すぐ見に行き戻っての言葉が「雲ばかりで何も見えません」でした。わずか1~2分なのにと驚くばかりでした。
さすがに外は寒いので防寒支度をして、いざ出発です。
H29.7.31(月)
1:30
3,450m、御来光館前、出発時の空はほぼ真っ暗ですが、ほんのり薄明かりが見えます。
2:06
3,600m、須走口五合目から6.8km、九合目、山頂まで400m
2:32
山頂に向かう大勢の登山客です。かなり渋滞しました。
3:11
山頂手前の鳥居
3:16
須走・吉田ルート山頂に到着しました。
3:16
3,710m、須走口五合目から7.2km、富士山頂上久須志神社前
3:22
山口屋本店
山口屋前の休憩スペース
3:30
山口屋の先を右に分岐してまもなく、ご来光のビューポイントといわれる成就岳に着きました。小さな鳥居があります。
日の出は4:40ですので、1時間以上あります。とりあえず場所確保のため周囲を見渡してみます。既に数人が座ったり、カメラの三脚をたてて準備をしていました。暗いのと岩がごつごつしているのとで、まともに座れる場所がなかなか見つかりません。
成就岳は以前は大日岳と呼ばれていたようです。また現在朝日岳となっているのが元は成就岳だったとのことです。詳しくは下記URLを参照してください。
富士山頂 お鉢のピーク名称の混乱
ようやく場所を決めて周りをみると、前は外人のアベック、右は数人の外人の集団、後から来たのも外人と、やたら外人が目立ちます。
手袋をして、ダウンジャケットを着込んでも、じっとしていると寒くなってきます。そんなときは少し歩き回って寒さをしのぎます。
肝心の天気はというと、曇っていますが多少隙間があるといった感じで微妙です。
4:07
午前4時を過ぎた頃から薄明かりがさし始めてきました。青空が増えてきたようです。とても神秘的です。
4:18
左下に山口屋の明かりとヘッドライトが見えます。
4:24
青空が広がってきました。既に立ち上がっている人もいます。
4:29
赤味が強くなってきました。
4:34
いよいよ近づいてきたので、皆そわそわしています。
4:40
日の出の時間ですが、雲が邪魔してまだ顔を出していません。
4:47
もう少しです。
4:49
ようやく顔を出しました。ご来光です。
素晴らしい光景です。
4:51
逆光で顔が見えません。
4:52
明るくなって山口屋の方を見ると広場のような所から登山道に至るまで、人の波です。
すぐ下で万歳三唱が聞こえてきました。
当日の様子を伝える新聞
4:55
お鉢めぐりの道を時計回りに剣ヶ峰を目指して歩き出しました。
4:59
雲を見ながら先へ進みます。
5:07
剣ヶ峰が見えてきました。
5:10
銀名水です。
5:10
大内院です。火口の深さは200m以上あります。
5:13
頂上富士館に着きました。結構にぎわっています。右側に見える頂が剣ヶ峰で、右鳥居の奥が頂上浅間大社奥宮になります。
5:17
富士山頂上浅間大社奥宮、この鳥居は昨年新しくしたそうです。左は郵便局です。
5:19
これまで2回この前を通っていますが、中へ入ったのは初めてです。入ってすぐ右側の柱にあった「高齢者(70歳以上)記帳所」の文字が目につき、すぐ記帳し始めました。
所定の項目を書き終えた頃、いつのまにか神職の方が目の前に立っており、素焼きの杯を差し出してくれました。注いでいただいた御神酒を飲み干し、杯を返そうとしたら、これは差し上げますのでお持ち帰りくださいとのことです。そればかりか紙に包まれた記念品もいただき、恐縮してしまいました。中には扇が入っていました。
浅間大社記帳名簿
今夏の富士登頂、70歳以上は1086人 /静岡
素焼の杯(かわらけ)、「富士奥宮」と書かれています。
これを火口に向って投げ入れるということらしいのですが、その説明はありませんでしたので、持ち帰りました。
國鎮末廣
過去2回も該当年齢でしたので、早く気が付けばよかったと思いました。
5:23
山頂上浅間大社奥宮の左隣にある富士山頂郵便局です。今までと違う所にあると思ったら、もともとここにあって今年戻ったようです。
この日投函したはがきは7月31日消印で8月4日に届きました。
5:28
剣ヶ峰が間近に見えてきました。
5:31
残り距離100mの馬の背です。
かなりの急勾配です。
5:41
写真撮影に並ぶ列です。15分以上かかりました。
5:58
三角点です。
5:59
ようやく撮影ポイントにきました。3,776m日本最高峰富士山剣ヶ峰です。
Tさんと一緒に。
右側の建物は元富士山レーダーがあった場所です。
6:07
電子基準点前です。ホバリングしている大きな虻のようなものを狙って撮りました。
6:24
西安河原あたりで影富士が見られました。
6:33
小内院
6:47
正面に剣ヶ峰が見えます。
6:51
河口湖方面です。
6:55
山中湖が見えてきました。
6:58
3,710m、一周して須走・吉田ルート山頂に着きました。
山口屋前の休憩所で、砂除けのスパッツ、マスク、サングラス、ストックなど下山の準備をして7:25下山開始。
7:27
左へ曲ると下山道ですが、しばらく吉田ルートと共通の道です。
7:27
竜巻のような雲に見えますが、風はそんなでもありません。
7:32
7:51
本八合目あたりです。
8:10
八合目でガスがでてきました。
8:11
3,270m、八合目、吉田ルートの分岐点です。須走ルートは右に曲がります。
8:18
荷物運搬のブルドーザーが上がってきました。
8:36
3,200m、七合目見晴館です。
9:08
3,090m、七合目大陽館です。
9:20
砂走りに入りました。
靴が砂に埋まって、どうもうまく進めません。小石だけでなく、大石も多くどうしても慎重になってしまいます。
途中何度もこけました。
このあたりでものすごい勢いで駆け下りていく若者がいました。数10m先で一回転して倒れ込み、しばらく起き上がれませんでした。怪我をしたかもしれませんが、後ろに仲間がいるようだったので、何も声をかけずに通り過ぎました。どうみても登山の格好ではなく、手提げ袋のようなものをぶらさげているだけでした。無茶をするものです。
砂走りはジグザグなし、一直線で続きます。
10:04
この先で砂走りが終わります。昨日の雨のせいか砂ぼこりもたたず、マスクを使用することはありませんでした。
10:28
2,230m、砂走り五合目吉野屋前です。バス停まであと1.3kmになりました。
10:32
樹林帯に入りました。
10:45
昨日も通った登山道と下山道の合流地点です。
11:15
富士山保全協力金の受付です。登山客はまばらです。
11:20
2.000m、須走口五合目に戻ってきました。
11:45分発のシャトルバスに乗って、車を停めてある須走多目的広場に向いました。
12:12
シャトルバスを降りた直後の須走多目的広場の様子です。駐車した場所までここから2~3分です。
あきらめかけていたご来光が見られたので、満足感たっぷりの富士登山でした。
暖かく後ろから見守ってくれたTさんに感謝します。
2014年1回目の富士登山の様子は次のブログをご覧ください。
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